とらふぐの安全性

とらふぐの餌

美味しい健康なとらふぐを育てるために

養殖を行う中で一番手間暇をかけているのは「給餌」。健康で美味しい魚を育てるには、安全で美味しく栄養バランスの取れた餌を与えなければいけません。生産者は、とらふぐのや大きさや体調、水温等様々な状況を考えながら給餌を行っています。
現在、とらふぐの養殖では大きく分けて分けて「モイストペレット」と「ドライペレット」の2つのエサを使用しています。

モイストペレット ~ 水分を含んだ固形のエサ

モイストペレットの特徴
  • 生餌にくらべて、魚の接餌率が高い(=環境汚染が少ない)
  • エサの品質が安定している
  • 栄養バランスの面で生餌としては与えにくい魚も利用できる
  • エネルギー量を容易に調整することが可能 (=バランスの取れたエサ)

水分(モイスト)を含んだ固形飼料という意味で、通常「MP=モイストペレット」と呼ばれています。
生魚と粉末配合飼料を混合し粒状にした飼料で、魚の大きさや口の大きさに合わせて作られるため、粒の大きさや形は色々です。配合飼料とはフィッシュミール(※イワシやアジから作られた魚粉)を主原料としたエサです。

ドライペレット ~ ほとんど水分を含まない乾燥したエサ


ドライペレットの特徴
  • エサの品質が生餌、MPに比べ最も安定している
  • MPに比べ、魚の摂餌率が高い(=環境への負荷がもっとも少ない)
  • エサ自体が乾燥していることから品質管理がしやすい
  • 養殖魚の種類によっては機械で自動的に給餌できる場合も

生餌中心からMP中心にエサの形態は大きく変わってきましたが、それでもMPを製造するには造粒設備や人手、時間を必要とします。この為より簡便で品質の安定した、しかも保管が容易な固形飼料へと移ってきています。

そして、更に昨今ではドライペレットの中でも「EP」と呼ばれる固形飼料へと変わりつつあります。EPとはエクストルーダー(機械の名称)で処理したペレットという意味で、現在、配合飼料の中で最も優れた性能を持つ飼料で世界中で使われいます。

とらふぐへの給餌の様子

健康なとらふぐは、健康な餌が不可欠です

とらふぐの養殖で一番手間暇をかけている「給餌」はどのように行ってるのでしょうか。
ここでは「モイストペレット」による給餌をご紹介します。

モイストペレットの材料

まずは、MPの原料となる生エサとマッシュ(魚粉を主成分としたMPの原料)を給餌船に積み込みます。

これが冷凍庫に保管されている生エサです。
1つ15kgのブロックが積み上げられています。

給餌船へ餌の積込み

生えさ(冷凍ブロック)は、クラッシャーで砕いて船倉へ積込まれます。

さあ、養殖場へ

給餌船に必要な餌などを積んだら、養殖漁場へ向います。

とらふぐの餌を作る

養殖漁場に到着したら、早速MPを作り始めます。
生えさとマッシュをかくはん機で混ぜ合わせます。必要があれば、栄養剤(ビタミンやミネラル)を加えることで、健康な魚を育てます。

給餌開始!

いよいよ給餌です。

魚の口の大きさに合うように作られたMPが次々と与えられていきます。
生産者は、魚の様子をしっかり確認しながら、餌を与えるスピードや量を調節します。

給餌にかかる時間は時期や魚の大きさなどによって変わりますが、1生簀に対しおよそ20~30分ほどかかります。

このように、生産者は健康と食の安全のことをしっかり確認しながら、とらふぐの成長を考えて栄養満点のエサを作り、給餌しているのです。