とらふぐの成長
天然とらふぐについて
大変貴重で高価な天然のとらふぐ
天然とらふぐの漁場といえば、玄界灘、日向灘、瀬戸内海、伊予灘、遠州灘、熊野灘などが有名です。
天然とらふぐの漁獲量は大変少ないこともあり、養殖とらふぐに比べて相場が5~6倍になることも珍しくありません。およそ20年前に遠州灘沖で海流変化が起きてからは、天然とらふぐの漁獲が増え、静岡、愛知、三重の東海3県が天然とらふぐの漁場として日本一になっており、全体の約6割を占めています。
天然とらふぐの特徴
高級食材であり、とても低カロリーな天然のとらふぐ
天然とらふぐは、高級食材でありながら脂肪はほとんどゼロで、低カロリー、高タンパク。
しかも血圧を下げる効果のあるカリウムが豊富に含まれる健康食材です。脂肪が少ないので、刺身にしても鍋にしても味が淡泊で飽きが来ず、その脂質は他の魚と決定的に違います。
ちなみに身100gに対し、ヒラメが1.2g、マダイが3.4gなのに対し、ふぐは0.1gしか脂質がなく、また骨の周りや皮にはたくさんのゼラチンがあるので、コラーゲンも豊富です。まさに、女性には美肌効果が期待大の食材なのです。
とらふぐは東シナ海・黄海及び我が国沿岸のほぼ全域に分布
死亡率が非常に高いふぐよる食中毒
とらふぐは東シナ海・黄海及び我が国沿岸のほぼ全域に分布します。
とらふぐは複数年同じ産卵場に産卵回遊することが推測されており、放流種苗ではあるが成熟後に放流場所近傍の産卵場に産卵回帰した例が報告されています。
このことから、トラフグが産卵回帰性を有し、産卵場毎にある程度独立した群をなしている可能性が示唆されています。
とらふぐの年齢
雄は2歳、雌では3歳で成熟を始め、日本国内における主要産卵場は、長島海峡、有明海、福岡湾、関門海峡、若狭湾と瀬戸内海にあり、一部は七尾湾 へも来遊すると推測されています。
産卵は3~6月に水深10~50m程度の潮流が早く、粗い砂や小石が卓越 する海底で行われます。孵化した幼魚は産卵場近くの内湾などで生育し、成長に伴って徐々に分散して他の海域へ移動していくものと考えられております。
とらふぐのえさ
食性は、ほぼ動物食で、仔魚後期までは動物プランクトン、稚魚は底生性の小型甲殻類、未成魚以降は、エビ・カニ、魚類等を中心に捕食します。
天然とらふぐを釣る
とらふぐは延縄(はえなわ)漁で釣り上げます
天然とらふぐの一般的な漁法としては、延縄(はえなわ)と呼ばれる漁法があります。
延縄は幹縄と呼ばれる長いロープに、一定間隔に釣針が付いており、その長さは数キロメートルにもなります。それぞれの釣針に餌を付けた仕掛けを海に入れ、魚が食い付くのを待って、引き上げ作業にかかります。
釣り上げられたふぐは、船のイケスに入れられますが、噛み合って魚体に傷がつかないように、歯を切り取ります。
とらふぐ漁は毎年10月1日より解禁
とらふぐと言えば下関ですが、 実は静岡、愛知、三重の東海3県が天然とらふぐの漁場として日本一だと言うのです。
全国で約600トン(H14)水揚げされる「天然とらふぐ」の約6割が、静岡、愛知、三重県の海域で漁獲されています。。特に遠州灘沖は有数の漁場。15年ほど前、遠州灘沖で海流に変化が起こり、 天然とらふぐが大量に穫れるようになったとのこと。
天然とらふぐの減少
減り行く天然とらふぐの漁獲高
とらふぐは食用ふぐ類の中では最も高価な魚種です。
1989年以降、下関唐戸市場株式会社における東シナ海・黄海及び日本海西部海域産トラフグの取扱量は減少を続けています。
とらふぐの減少要因として乱獲や産卵・稚仔育成場の減少など人為的な影響と海域環境の変化にともなう生残率の低下など自然環境的な要因が考えられますが、その程度は明らかでなく、とらふぐの環境と資源変動の関係については現在のところ明らかにされておりません。
近年の傾向として伊勢・三河・ 遠州灘海域における漁獲水準が高いにもかかわらず、東シナ海・日本海での漁獲水準が低い状況が続いており、漁場形成海域に変化がみられています。